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  • 2019/08/08

    「太くて厚い木材」防火性能を高める条件

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    木製ドアは、すぐに燃えると思っている人が少なくないかもしれません。しかし実際には、いくつか条件がそろうと防火性能を高めます。どんな木材が火事に強いか知っておくと、防火を考えたうえで木製ドアを設置するとき参考になるでしょう。そこで今回は、木製ドアが高い防火性能を発揮できる条件を解説します。

    太くて厚い木材ほど燃えにくい
    木材は、どれも同じように燃えるわけではありません。条件によって、燃え方は違います。

    <昔は燃えやすかった木造住宅>
    かつて、木造住宅は燃えやすいものでした。江戸の町では、火事の延焼を防ぐため火元の周りに建つ家屋が次々に取り壊されたものです。
    そんな事態を招いていた理由は、燃えやすい状態で使われる木材が少なくなかったためです。昔は、土台や柱にとどまらず屋根、外壁、天井、床、扉まで木材を使っていましたし、建材にたき火の火おこしに適した細い素材も含まれていたので、火事に弱かったのです。

    <木材が燃えにくくなる条件>
    木材が燃えにくくなる主な条件は、「太さ」と「厚み」です。太くて厚みが増すほど防火性能は高まり、簡単には燃えません。
    木造住宅の柱や梁は、一般的に厚みが10cm以上といわれています。火事に見舞われ30分間にわたり火を受けた場合、焼け焦げるのは表面から2cm前後。残りは、ほとんど元の形をとどめます。
    近年は燃えにくい素材の使用が義務付けられており、木造住宅は以前より火事に強くなっています。

    木材がもつ防火性能
    木材には、内部まで燃えるのに一定の時間がかかり変形しにくいといった特徴があります。

    <木材はなかなか燃えない>
    木材に火が燃え広がるのを防いでくれるのは、木の表面が焼かれたときに生成される炭化層です。炭化層により熱は伝わりにくくなり、酸素の供給も絶たれます。
    一定の太さと厚みがある場合、火が燃え進むスピードは1分間に0.6ミリほど。厚さ10cmの建材を燃やすには単純計算で0.6ミリ×170分=10.2cmとなり、約3時間かかります。
    実際には炭化層の働きで炎は酸素不足になるので、太くて厚い木材を燃やし尽くすのは容易ではありません。

    <木材は変形しにくい>
    木は、温度が上昇したとき変形しにくい素材としても知られています。同じ時間だけ燃やされた場合、鉄より強度を保ちます。
    木がどれほど強度を保てるかは、負荷をかけながら燃やす実験で検証されました。調査対象は、5×10cmの木と鉄。燃やし始めてから10分後、鉄の強度は20%近くに低下し負荷により曲がりましたが木は約80%の強度を維持していました。
    この実験が示すように木は長く燃やされても高い強度を保てるので、火事ですぐに焼け崩れるリスクは少なく避難する時間や避難経路の確保につながるのです。

    まとめ
    木材は、一定の条件を満たしていれば高い防火性能を期待できます。この特性を生かした木製ドアは、火事に強さを発揮します。万一に備えるなら、防火性能に優れた木製ドアの導入も検討してみるとよいでしょう。

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    木製防火ドア
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