組子建具は、人が手で触れない欄間でもホコリで汚れることがあります。掃除をする際は、細かいつくりの組子を傷つけるかもしれませんので注意が必要です。どのように手入れすればよいか知っておけば、組子をきれいな状態に保てるでしょう。そこで今回は、組子製品の基本的なお手入れ方法をご紹介します。
エアスプレーが有効
組子建具を自分でお手入れするときには、エアーを吹きつけてホコリを飛ばす方法が有効です。代表的なアイテムとしては、エアーダスター(スプレー)、ブロワー、エアコンプレッサー(エアーガン)が挙げられます。
<エアーダスターの仕組みや入手方法>
エアーダスターは一般的にスプレー缶タイプで、プシュッと一押しするとノズルから気体が吹き出し、ホコリや塵を落とします。パソコンのキーボードを掃除するときに使われることが多く、パソコン関連商品の販売コーナーで1本600円前後から購入可能です。
<ブロワーの仕組みや入手方法>
ブロワーは、機械から空気がはき出される送風機の一種です。最近はよく落ち葉の清掃に用いられており、ホームセンターのガーデニング売り場で見かけます。レンタルも可能で、1日あたりの料金が数百円ほどで済むケースもあります。
<エアコンプレッサーの仕組み>
エアコンプレッサーはタンクのなかにモーターで圧縮した空気をためておき、タンクにつないだホースやエアーガンから勢いよく射出する機械です。ホコリを一気に吹き飛ばせる強力な装置であり、多くの場合、専門業者が所有しています。
無塗装の木材は水拭き禁止
欄間など組子製品の素材は、通常、塗装されていない木材(白木)です。水分や油分はシミになる恐れがあり、水拭きや化学ぞうきんの使用は避けましょう。
<エアー以外の清掃方法>
普段の清掃はエアーを吹きつけるだけで十分ですが、手が触れる機会の多い枠材の表面は徐々に汚れていきます。汚れが目立ちはじめたら、きれいな布を水で湿らせ固く絞ったうえで拭き取ります。それでも汚れが取れない場合は、ホームセンターで売っている白木用クリーナーを試してください。
<削るという選択肢もあり>
あまりに頑固な汚れは、部分的であればカンナや番手の高いサンドペーパーで削るのも選択肢のひとつです。ただし、長い時間が経過した組子細工はかなり日焼けしているケースが少なくありません。汚れを削り取ると、その部分だけ本来の木の色が露出して白くなる可能性があります。木を削るのは、最後の手段と考えておくのが賢明です。
なお無塗装の天然木は、多少のキズであれば修復する性質をもっています。浅いキズは傷口に水を含ませ、そのまま置いて様子を見ましょう。
まとめ
組子建具の掃除は、基本的に水拭き厳禁です。エアーを使うと、組子を傷つけずにホコリを落とせます。エアスプレーなどを上手に使ってこまめにお手入れし、きれいな組子を少しでも長く維持してください。
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