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  • 2018/09/06

    木材が火に強い理由

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    「木は燃えにくい」というと意外に思われるかもしれませんが木の本質は「火に強い」ことです。その耐火性能は金や鉄、アルミなどの金属をはるかに上回るほど。木・鉄・アルミを同じ条件で燃焼させる火災実験では、木がもっとも熱伝導率が低いことが証明されています。そんな木が持つ特殊な構造について、科学的なデータを交えながらお伝えします。

    木は耐火性を持つ素材

    見た目の美しさや、湿度をほどよく調節する機能、ぬくもりを維持する働きなど、建具素材としての木の効用は一般的にこれらの利点はよく知られていますが、「火に強く、燃えにくい」点こそが建具としての木が持つ最大の特徴ともいえるのです。
    200度以上の火にさらされた木は、表面だけみると確かに燃えていますが、内部はしっかり守られています。これは、木は表面が燃えると炭化層を形成する働きがあり、内部へ送られるはずの酸素をシャットアウトしてくれるからです。このように、木には本来燃焼を防ぐ耐火機能が備わっているため、迅速な消火が行われれば簡単に倒壊したり、家材を破損する恐れはありません。
    木は、火災から大切な財産と人の命を守るうえで最適の素材といえるでしょう。だからこそ、一戸建て住宅や高級ホテル、タワーマンション、各種施設などあらゆる住まい空間で、防火扉の素材として活用されるのです。


    鉄やアルミ建材との比較

    炭化層を作れる木は、固体物質の中でもとりわけ熱伝導率が低いことで知られます。各物質の熱伝導率を表すと、「銀:420」「金:398」「アルミ:320」「鉄:236」「ステンレス:84」「ポリエチレン:1」「木:0.41」です。たとえば、料理に使うお鍋。金属製でありながら取っての部分を木で巻いているのは、熱が伝わってやけどしないようにするためです。この例ひとつをみても、熱を寄せ付けない木の特性が分かります。
    木が鉄・アルミより燃えにくい性質を持つことは、火災実験からも明らかです。鉄・アルミ・木を同じ条件のもとで熱を加えたところ、次のように変化することが分かっています。
    ・アルミ・・・400℃の熱で80%強度がダウン
    ・鉄・・・550℃の熱で50%強度ダウン
    ・木・・・700℃の熱で23%強度ダウン
    ちなみに、木は550℃の熱でもわずか5%しか強度が落ちません。このように火災に対する木の強さは、科学的にも実証されているのです。

    まとめ

    耐火性能を持つ木製ドアは、火災から家と家族を守ってくれます。たとえ表面が燃えだしても、芯まで深く燃えることはありません。火に強く、長持ちする特性を持った頼もしい素材。防火ドアとして最適の条件を備えるからこそ、さまざまな建物で活用されるのです。

    ※耐火性能とは、建築準法において、通常の火災が終了するまでの間、火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために、建物の耐力壁や間仕切り壁、外壁、柱、床、梁などに求めている性能のことです。
    ※熱伝導率とは、物質の移動無しに、熱が高温から低温へ運ばれる現象の熱移動の起こりやすさを表す係数です。

    ※掲載内容は予告なく変更される場合がございます。予めご了承願います。

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