防火ドアの性能を説明する際、必ずといっていいほど出てくる「遮炎」という言葉。これにはどんな意味があるのでしょうか? また、遮炎性能という言葉もよく聞きますが、どんな性能を持つのでしょうか? 今回は、建築基準法の条文に出てくる専門用語「遮炎」「遮炎性能」「準遮炎性能」の意味、それぞれの違いについてご説明します。
遮炎とは?
火災時の炎を有効に遮ることを「遮炎」といいます。一般的には、「遮炎性能」という、防火設備に備わる性能を表す言葉として用いられます。
遮炎性能は、防火設備の必須要件です。建築基準法や都市計画法では、特定の区域に防火設備の設置を義務付けています。その目的は主に開口部からの延焼防止です。遮炎性能を備える防火ドアの設置により、火災時の燃え広がりをセーブし、建物損傷の軽減やすみやかな避難につなげる狙いがあります。
ではどれほどの遮炎性能が求められるのかというと、最低20分間は火災の過熱に耐えうる性能です。ビルやマンション、ホテル、戸建てに取り付けられた防火設備には、燃焼実験でこの要件をクリアしていることが実証されています。試験をパスしたドアは国土交通省の認可を受け、製品として販売が許されます。
「遮炎性能」と「準遮炎性能」はどう違う?
遮炎性能とは別に、「準遮炎性能」という言葉もあります。両者の違いは何でしょうか?
先ほど遮炎性能について、「20分間火災の炎に耐えうる性能」と説明しました。もう少しくわしく説明すると、これは屋内外両方からの炎をシャットアウトする能力のことです。一方、準遮炎性能とは、防ぐ力が屋外からの火炎のみ有効に働く性能です。屋外で発生した火災を20分間、室内に入れることなく食い止められることを表しています。
遮炎性能を備える防火設備は、室内で発生する火災および屋外で発生する火災に対しても一定の有効性を発揮します。対して準遮炎性能の設備は屋外発生の火災のみ有効。このことからわかる通り、延焼を防止する効果は前者と比べ限定的なものとなります。
まとめ
いつ何時発生するかわからない火災に備えるためにも、建物にはある程度の遮炎性能が求められます。延焼は外壁や開口部を通じて起こるリスクが高いことを考えると、ドアの遮炎性能の重要性がわかるかと思います。
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