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  • 2020/02/14

    組子デザイン|伝統の技が生み出す美の世界

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    多彩で変化に富む組子デザイン。ひとつの手法でつくられた柄から、多様な意匠が生まれます。今回は、組子細工の代表的な手法である「三組手」「亀甲」「菱」をご紹介。3つのアプローチからどのようなデザインが誕生するかをみていきます。

    三組手
    三組手とよばれる手法がつくり出す柄には、麻の葉をはじめ、桜や八重桜、桔梗、胡麻殻、竜胆などがあります。正六角形に編んだ地組にはじまり、より細かくより密に細木を組み上げることで、複雑な文様へと広がっていきます。意匠は実に多彩、古来日本人が愛してきた植物をモチーフとしており、緻密な文様ながらも懐かしさと親しみやすさを感じさせるものばかりです。
    麻の葉といえば代表的な組子紋様のひとつですが、さらに手を加えることで「八重麻の葉」「変わり麻の葉」「二重麻の葉」など細かい柄の麻の葉デザインが誕生します。複雑さが増すほど高度な技術が必要となり、職人たちの経験も問われます。とくに「竜胆」は、わずかに異なる角度の木を連結させることで描く円柄が特徴で、卓越した技術がなせる業です。

    亀甲
    亀甲とは、亀の甲羅のかたちを模した文様を指します。長寿で知られる亀は縁起がよいことから、古来多くの場面で用いられてきた意匠でもあります。
    優美という意味をその名に込めた「弁天亀甲」は、整然と並ぶ六角模様の亀甲の外側に、細かい三角形を取り巻くように配置。素朴ながらも洗練された印象を与えます。同じように六角形と三角形の組み合わせの妙を楽しめる「小町亀甲」や、亀甲組を三重にした「三重組子」、城の石垣を彷彿とさせる「積石組子」など、バラエティ豊かな柄を楽しめます。


    菱の葉をかたどった文様も、ベーシックな柄のひとつとしてさまざまな場面で用いられます。古くは古代人が祭祀用具として祀った銅鐸の図柄に使われた記録もあり、神聖な植物として菱が取り扱われてきたことがうかがえます。社寺仏閣から民家の和室まで、用途は多様でバリエーションも豊富です。
    菱を基調として、吹き寄せ形状にした「二重菱」「三重菱」、松の皮のように加工した一重菱の「松皮菱」など、こちらもひとつの柄からさまざまな文様を生み出します。組み合わせの工夫と、それをかたちにする技術により、まったく異なる個性、ユニークな意匠も可能となるのです。

    まとめ
    シンプルな柄をベースに、表現豊かな文様を描き出す組子細工。多彩なデザインが、建具の価値を高めてくれます。ABE KOGYOでは、世界に広がる組子製品をオーダーメイドにて承り、ふたつとない装飾具の創造に挑戦し続けています。

    【組子特設サイト】
    https://www.abekogyo.co.jp/kumiko/https://www.abekogyo.co.jp/kumiko/

    ※掲載内容は予告なく変更される場合がございます。予めご了承願います。

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