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  • 2020/04/22

    組子の価格を決めるもの

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    一般に、高価なイメージがある組子細工。確かに既成建具と比較して、値は張りやすくなる一面があります。それは組子が職人の技法を生かした製品であり、伝統工芸品に数えられる一品だからこそです。「一言で価格を説明できない」こともまた、組子の奥深さを物語ります。

    価格を決める要素は、素材や製法、大きさ、種類など多様
    職人たちが長年の修行で培った技術を駆使して、1点1点精魂込めてつくりあげる組子細工。手間暇かけて製作することから、「組子は一般的な建具と比べ価格が高い」と思われがちです。
    組子は適当な相場をつけるのが難しい建具でもあります。素材として用いられるのはヒバや杉、ヒノキなど数種類あり、材種の違いで値段も変わります。同じ杉でも産地の違いで品質に差が生じるものですし、国産か外国産かの違いは輸送コストや管理費への影響が避けられません。その他大きさの違いや、どの建具を選ぶかによっても費用が変わってくるのです。
    もうひとつ大きな要素が、オーダーメイドということです。古い時代の調度品として活用された組子建具のリペア品より、大きさからデザインまでオーダーメイドでつくりあげる一点物は高価になる傾向です。しかしその組子は世界にふたつとない建具として特別な価値を持ち、だからこそ海外でも高く評価されます。

    “伝統工芸品”としての価値
    組子は“伝統工芸品”としての顔も持ちます。『日本伝統文化振興機構』によるとその定義は「その地域から産出される素材をもとに、伝統的な技法と匠の技をもってつくられたもの」。職人は、釘一本使わず、0.1㎜の誤差も許さない製法で独特の意匠を編み出す域に達するために、何年もの修行を経て作業場を任されます。道具の選定や使い方から、素材の特徴を手肌に染みこませる感覚まで、匠の技と呼ぶべき領域です。機械による画一的な生産品とはまた異なる、クラフトマンシップが宿る手作りならではの価値が生まれます。
    その他にも、長期におよぶ製作期間や特殊な素材管理など、一般的な建具とはさまざまに異なる面が価格帯に影響します。どれも、伝統工芸の価値を守るためにゆずれない要素といって差し支えありません。

    まとめ
    オーダーメイドの組子の価格を、一言で説明するのは難しいといえます。素材や製法、大きさ、種類など、価格を決める要素は一様ではないからです。磨き抜かれた職人技が生み出す伝統工芸品という価値も見逃せません。すべての製品に特別な価値があり、相応の価格がつけられる。それが組子の特徴でもあります。

    【組子特設サイト】
    https://www.abekogyo.co.jp/kumiko/

    ※掲載内容は予告なく変更される場合がございます。予めご了承願います。

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